UiPathではじめるRPA入門(1) 〜 概要編

UiPathではじめるRPA入門(1) 〜 概要編

このシリーズでは、RPAソフトウェアの使い方を概説します。選定したソフトウェアは、無料で使えるコミュニティエディションを提供しているUiPathです。UiPathでは、UiPath Academyという無料のEラーニングを提供していますが、コースが長くちょっと試すという分にはかなりの覚悟が必要です。

そこで、一日か二日くらいで大まかな使い方を身に付けることができるように記事をまとめてみようと思います。何らかのプログラミング言語を多少やったことがあるという読者を想定しています。そうでない読者の方でも一通り完了できるレベルではありますが、繰り返し制御、条件分岐、変数、型、エラー処理、クラスなどには困難を感じると思います。

今回の内容

  • UiPathとは?

では早速、UiPathとは何かの概要を説明します。

UiPathとは?

UiPathは、一連のRPAソフトウェアを提供している企業です。今回は、その中のUiPath Studioを用いてロボットの設定を体験します。

UiPathのRPAソフトウェアの種類

UiPathが提供するRPAソフトウェアには、幾つかの種類があります。ややこしいと感じるかもしれませんが、一通りロボットの説明をしていきます。

Attended Robot

Attended Robot(アテンディットロボット)は、主に従業員のデスクトップ内にインストールし、従業員の操作により動作するロボットです。従業員とともに動くロボットになります。

Unattended Robot

Unattended Robot(アンアテンディットロボット)は、サーバー内のバーチャルマシン上で(も)動作し、従業員による操作が不要なロボットです。独立して常時稼働が可能なロボットはこのUnattendedになります。Unattendedを導入することで、よりRPAの効率を高めることができます。

Orchestrator

Orchestratorは、Unattended Robot/Attended Robotの定義ファイルのバージョンや稼働状況を管理するサーバーソフトウェアです。NTTデータ社のWinActorで、管理ロボと呼ばれているものもこのOrchestratorに該当します。

Unattended Robotとの連携により効果を発揮し、Unattended Robotへのキューイング、起動、バッチ処理の管理ができます。はじめは導入せずに、ロボットの数が、増えてきたときに導入することも可能です。

UiPath Studio

UiPath Studioは、ロボットを設定するためのソフトウェアです。Unattended Robot/Attended Robot共に設定が可能です。動作検証用のロボットが内蔵されています。ロボットを定義するには、このUiPath Studioが必ず必要になります。


UiPath ロボットの種類の概要


RPA構築プロセスと購入ライセンス

初期評価を行い、部分的な自動化から試験導入を行います。 試験導入後は、段階的に自動化範囲を拡げ運用フェーズへ移行していきます。

初期評価段階では、UiPath Studioの無料の評価版で十分です。60日間のトライアルとなっております。

実際の業務でパイロット導入するときには、Attended RobotかUnattended Robotのライセンスが必要になります。これに加えて、UiPath Studioのエンタープライズライセンスを購入するのもこのタイミングと言えます。Attended Robot1ライセンスにStudio1ライセンスが最小構成となってります。

続いて、中間評価、拡大最適化(全社展開)となると、ロボットの台数の検討や管理の方法の構築に加え、Orchestratorの導入も現実味を帯びてきます。

大規模化を前提とする場合は、初期評価の後は計画的に展開するのが重要です。


無料のUiPath Community Edition

UiPathでは、無料のコミュニティエディションがあります。コミュニティエディションは、小規模事業者や個人の勉強、評価用のもので、UiPath StudioとAttended Robotが使用できます。詳細なライセンス条件は、本家サイトでご確認ください。

このRPA入門ブログでは、UiPath Studioを使っていますが、読者のみなさまは無料のコミュニティエディションで大丈夫です。

UiPath Community Editionはこちらからダウンロード

次回より、実際にUiPathを利用して自動化を設定していきます。


復習

  • UiPathのAttended Robot、Unattended Robot、Orchestratorの役割について説明して見てください

では、また次回。

次回は、UiPath の使い方を説明いたします。

  • 新規プロジェクトの作成
  • ロボットからのメッセージダイアログの表示(こんにちは、世界)
  • アクティビティ、ワークフロー、プロパティの概念
  • 変数の簡単な使用方法

UiPathではじめるRPA入門(2)〜こんにちは、世界