RPAとは何か?

RPAとは何か?

機械ではなくソフトウェア

ロボティックという言葉がつくと、産業用ロボットのような手足がついたロボットやペッパーのような人型ロボットを想像してしまうが、RPAでいうロボットは異なる。

RPAのロボットは、手足はついておらず実態はソフトウェアプログラムである。なので、基本的には、デジタルの世界の外に出ることはできない。例えば、お茶を出したり、複写機でコピーをとったり、郵便物を整理したり、郵便物に切手を貼ったりなどの物理世界での業務は、RPAのロボットではできない。逆に、エクセルにデータを追加したり、顧客データベースに情報を登録したり、ウェブサイトから情報を取って来たり、メールを受け取ったり、メールを送信したりといった人がデスクトップPCを使ってできるたいていのことはロボットで代行できる

RPAが操作する対象は、デスクトップPCであると言って良い。ニュースをまとめて来たり、最新の価格情報を取得したりといった業務を人がやっているところも少なくあないが、こういった業務はロボットで自動化できる。とくに、複数SaaSなどシステムを跨いだ連携を手動でやっている業務はぴったりといえる。

RPAが行う業務のイメージ

システム開発との違い

業務を自動化する方法は、RPAだけではない。

例えば、MFクラウドなどの会計SaaSは、銀行口座やクレジットカードの明細を取得して登録してくれて非常に便利である。銀行口座やクレジットカード会社のサイトに入ってCSVをダウンロードして、会計システムに登録するという単純でそれほど難しくもない業務だが、自分でやるとかなり手間に感じる。また、自分でやると毎日更新するなんてこともできないし、しないだろう。

この仕組みを全く真似るとしたら、3つの手段が考えられる。

  1. 人海戦術:
    会計SaaSのバックにパート従業員がいて、ユーザーのログイン情報を使って各金融機関の明細を取得して会計SaaSのシステムにアップロードする(人が操作を代行する)
  2. RPA(ロボット):
    1.の人海戦術をロボットにやらせる
  3. システム開発:
    各金融機関とAPIで接続する、あるいは、Webサイトをスクレイピングするシステムを開発して、常時実行させておく

2.のRPAロボットにやらせるという選択肢を検討していたという話をはじめに聞くことはないので、RPAとは何かから弊社で紹介している。そう言った業務をRPAロボットにやらせることができることを、そもそも知らないのだ。

私たちが自動化はRPAロボットでも実現可能ということを紹介し、その特徴と他の手段との比較は、例えばという感じで次の表を使って説明している。

自動化の手段と特徴

人手で行う RPA システム開発
稼働開始まで 人員確保できた時 数週間 数ヶ月
初期投資額 リクルーティング費 数十万円 数百万円以上
処理スピード 人並み 人より10倍以上 非常に高速
業務の透明性 働いている人が見える 動作しているデスクトップが見える 技術者にログが見える

 

RPAは人海戦術で行なっていた業務をそのまま自動化する方法としてものすごくフィットする。現在の業務フロー、システムを変更する必要がなく自動化できるのだ。

上の表の通り、各解決方法には利点欠点がある。RPAがフィットする可能性が高いのは、次のような場合だろう。

  • 人員の確保が難しい、あるいは、作業の付加価値が低く、人件費が回収できない
  • システム投資の投資対効果(ROI)が低くシステム開発投資ができない

このようなケースにある場合、RPA導入により一気に課題が解決することがある。

RPAの具体例

ECサイトのバックエンド業務のRPAによる自動化

ECサイトを運営するのは簡単なようで、非常に面倒な作業が多い。

楽天、Yahoo、カラーミーショップ、BASE、stores.jpなどを使えば、誰でも簡単にECサイトを構築できる。しかし、商品を登録したり、価格を変更したり、在庫量を変更したりするために手作業がかなり発生する。

また、複数モールでショップを開いていたりすると掛け算で作業が煩雑になってくる。Yahooや楽天などメジャーなモールでは自動で連携してくれるソフトウェアやサービスもあるが、カスタマイズしたRPAロボットでは、お好みの自動化をすることができる。

例えば、一つのモールだけでEC運営しているだけでもたくさんの作業が発生する。

  1. 受注メールの確認
  2. 入金確認
  3. サンキューメール送信(受注確認)
  4. 出荷伝票出力・追跡番号登録、発送処理
  5. 受注完了ステータスへ変更する処理
  6. 在庫量更新する処理
  7. 会計ソフトに売上を入力する処理

これらは、メールソフト、ストア管理ソフト(Web)、会計ソフト(弥生)など複数のシステムにまたがっており、大規模な店舗でなければ、システム開発はせず人力で処理している。

このほとんどはRPAで自動化可能で、ロボットにやらせれば、人力での処理は発送処理だけになる。

ECのバックエンドでのRPA導入

向いている業務

RPAが向いている業務は、人間の意思決定が、全く、あるいは、ほとんど必要ない業務である。

例えば、良い・悪いなどの価値判断、不正の発見など人間の判断が必要なものはロボットだけでは実現できない。今のロボットは動くこと、作業だけに特化しているからだ。

弊社では、RPAとAI(人工知能)を連携させることで、ロボットの限界を広げようと試している。意思決定はAIが行い、作業はロボットが行うという方法である。AIへロボットが判断を扇ぐという形である。AIはウェブサービスとして公開されているものもあり、この連携は非常にスムーズにできる。もはやAIとロボットを分けて考える必要もなくなるのではと考えている。

向いている企業

RPAによる自動化の効果が出やすい企業は、大企業である。

その理由は、

  • 業務のボリュームが多いため自動化の効果が大きい
  • 現在の業務フローがよく定義されておりロボット化しやすい
  • 現在の業務フロー・システムを変更する必要がない
  • 浮いた人員の配置転換ができる

という点からである。システム開発に比べて半額以下くらいの投資で自動化が可能になり、大企業の方がコストメリットが出やすいのである。

一方で、弊社では中小企業こそRPAを導入すべきと考えている。

その理由は、

  • 少ない投資で自動化ができる
  • そもそも人員の確保が難しく、役員も雑務を行なっていたりする
  • 人員の確保の問題は今後も続く

と考えているからだ。

しかし、今のRPAのライセンス価格はそれほど安くはなく、さらにコンサルティング会社の高額なコンサルティングフィーを払えるのは大企業に限定されている。我々は、中小企業の方にもすぐにメリットが出る方法を考案し、リーズナブルな価格でRPAを導入できるようにしている。中小企業で興味のある方からのお問い合わせも歓迎している。

価格

RPAの導入価格は、RPAベンダーのソフトウェア価格+コンサルティングフィーからなる。

今現在RPA導入は、コンサルティングが必須で、コンサルティングフィーの方が大半を占めているのではないかと想像している。

弊社で様々なRPAベンダーの価格を調査したが、バックエンドで作業するロボット(ひたすら作業をする高速なロボット)が、おおよそ1ロボット月額60万円、フロントエンドで作業するロボット(デスクトップで作業するアシスタント的なロボット)で月額10万円程度となっている。これにコンサルティングフィーが上乗せされることになる。

我々は、RPAをもっと普及させて少子高齢化の経済全体を底上げするというミッションと、中小企業こそRPAを導入すべきという考えに基づき、安価にRPAを提供する努力を行なっている。現在、アシスタントロボットであれば月額5万円から送り出している。

特に中小企業様向けのアシスタントロボットは、パート従業員と比べても安価であり、24時間稼働、人力よりも10倍以上のスピードで働きオススメしている。

クラウドベースで動作するロボットも企画しており、その場合コストを大幅に下げることができると確信している。

弊社では、RPAによる作業の自動化とAIによる意思決定の自動化を推進しているので、お気軽にお問い合わせいただきたい。

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