RPAソフトを選ぶ

今、テレビでの露出などもあり、一般企業にもRPAの注目度が一気に高くなっている。

今はもう、RPAとは何かの説明は不要になってきていると感じる。

RPAは、BluePrism社が開拓者といわれており、他にも多くのRPAソフトウェアがある。今回は、代表的なRPAソフトウェアにはどんなものがあり、どのように選定したらよいかを簡単にご紹介したい。

代表的なRPAソフトウェア

紹介するベンダーとして以下のものを選んだ。

他にも、ソフトウェアはいくつもあるが、代表的なものに加え、弊社で動向を注目している WorkFusion を加えた。

*BizRoboはソフトウェアではないとの、指摘をいただき、BizRoboをリストから削除いたしました(2017年5月12日)。

*UiPath、WinActorに関する記述を更新。BizRoboをBasicRoboとしてソフトウェアとして再掲。(2017年8月17日)

*WinActorに関して、NTTデータ社で開発しているサーバータイプ、管理ロボに関する記述を追加。(2017年11月6日)

Blue Prism

Blue Prismは、2001年に設立されたRPAの老舗。RPAという言葉を使い始めたのも当社と言われている。

取り扱うRPAソフトウェアは、どちらかというと大企業向けのサーバー中央管理型、また、金融、医療などの高いセキュリティが必要とされる領域に強い。PCI-DSS等の規格をクリアできる製品を提供している。

価格帯は高めの水準、セキュリティ、サーバーでの中央管理など管理システムで付加価値を提供している。

マーケットでは、この後紹介する Automation Anywhere と Blue Prism の2強と考えられている。

Automation Anywhere

Automation Anywhere は、米国の企業でRPA市場でのシェアが最も大きいとみられている。

Blue Prismと同様に、当社も高いITセキュリティを確保するような仕組みを備えている。バックオフィス系の業務に強く、中央管理型のシステムを提供している。

特筆すべきは、RPAが得意な一定のルールに従った業務だけでなく、機械学習を用いて柔軟な動作をさせることができる点である。実際のところどうなのかは不明で、過度な期待はしない方が良さそうである。

UiPath

UiPathは、前述の2社と比較するとかなり軽量なRPAからスタートできる。

サーバー中央管理も可能だが、PCの中にインストールし、デスクトップの面倒な業務を自動化することも可能だ。大規模導入を前提としたエントリーRPAに最適と考えている。

初めはデスクトップにインストールするロボットで運用開始し、ロボットの台数が増えてくればOrchestratorと呼ばれる中央管理アプリで、処理を溜め込んだり(キューイング)、他のロボットにインプットとして渡したりなど、段階的に大規模化することもできる。

ライセンス価格も他社と比較すると低価格で、かつ、機能的に不足もない。そのため、IT開発するには期待するリターンが出ないような自動化や処理量がそれほど多くない自動化のニーズにも対応することができる。同じ価格帯の製品としては、後述する Win Actor があげられる。

Basic Robo

BasicRoboは、Kofax社の製品kapowの日本語OEM製品である。

サーバーを立てる必要があるので、お試し用途ではハードルがあるが、ロボットレンタルなどのサービスでカバーしている。日本での実績の積み重ねは大きい。

日本での実績を重視するのであれば第一候補となるだろう。他のサーバータイプのソリューションと同様、多くのロボットを活用していく大きな絵を描けている必要はある。

*BizRoboは、ソリューション名であり、使用するソフトウェアは、BasicRoboのほか、UiPath、Blueprismなどを選択可能。

Work Fusion

Work Fusionは、Webの世界でよくある現象を再現した。RPAベンダーが価格・機能面で競争するなか、当社は、RPAソフトウェアの無料版を配布を行なっている。Emailで登録すると、2週間くらい後にダウンロードリンクがメールで送信される。

Work FusionのRPAも Automation Anywhere と同様に機械学習を組み込んでおり、ロボットに操作を覚えこませることができる。日本市場ではどうかというと、現ユーザー(北米ユーザー)のみで、進めているとのこと。ただし、Webinarには参加できるので興味のある人は参加してみてもよいだろう(Webinarは、英語)。

機械学習系のRPAに共通して言える特徴としては、やはり、プログラムとして設定したRPAのほうが正確で安心できる。ざっくり動かすという点で、業務として許容できるのか否かというのは選定の大きなポイントと言える。

一方で、設定は面倒だが、UiPathやWinActorは、99%以上くらいの正確さを保っている。

Win Actor

WinActorは、NTTアドバンステクノロジ社が開発したRPA。

WinActorは、2017年10月にNTTデータ社が管理ロボと呼ばれる中央管理ソフトウェアの提供を開始した。最近まで、Windows 10に対応していなかったが、2017年8月よりWindows 10でも問題なく動作可能になった。

機能的には、RPAに期待する動作は全て可能。使い勝手も直感的で良い。価格帯は、UiPathと同程度であり、決して高くなくとっつきやすい。大規模にRPAを導入したり、自動的に大量の処理を行うようなやり方は管理ロボが登場する前では難しいかたっが今では大規模導入を前提とした導入にも対応できる、RPAのエントリーモデルとしては、かなり有望株であると考えている。

NTT ATによると、NTTデータ社経由の製品以外でも来年春以降にサーバータイプ及びサーバーでの中央管理可能になる見込みで、大規模化にも対応できるようになる。

同じWinActorであってもNTTデータ系とNTT ATからの直接の代理店から購入するもので現時点の拡張性が異なっているので注意されたい。

日本語でのサポート体制、マニュアルが充実しているのはWinActorの強みである。

WinAutomation

WinAutomationは、イギリスのSoftomotive社が提供しているライトなGUI自動化ツールである。

他のツールとほぼ同様のことができる上、ライセンスが買い切りで1,000ドル程度とかなりお手頃な部類に入る。機能的には、デスクトップ自動化ができるということなので、エントリーや低予算のプロジェクトには使える。一方で、大規模化するためにはやはり管理機能が不足していると言える。

使い勝手は、ほぼプログラミングと言っていいので、デベロッパーレベルの人材であれば違和感なく始められるが、一般のユーザーレベルでは使いこなすにはかなり苦労するだろうと思われる。ドキュメント類もすべて英語である。

Softomotive社もエンタープライズ向けのソリューションを提供しているようなので、今後調査していきたい。

RPAベンダーを選ぶ基準

世の中にRPAソフトウェアベンダーが多数登場していることは上述の通りである。では、どうやってこれらのRPAソフトウェアの中から自社にあったソフトウェアを選べば良いのか。

実際のところ、設定のしやすさ、できることなどでは大差がない。上述の全てがグラフィカルにロボットを設定でき、Windowsプラットフォームのみの対応であり、データや変数の取り扱いにはある程度のプログラミング的な知識が要求される。

*エミュレータやリモートデスクトップなどを駆使したWindows以外(Mac、スマホ等)の自動化はできる

大まかには以下の基準で選定すれば良いと考えている。

規模

どのくらいの規模でRPAを導入するのか?

大規模化しやすいRPAは、サーバーでの中央管理を行なっているRPAソフトウェアである Automation Anywhere、Blue Prism、BizRobo と言える。必須ではないが、UiPathもOrchestratorを用いることで、中央管理が可能であり、Win Actorは、NTTデータ社経由で購入するか、来春にはNTT AT社のものでもサーバー管理が可能なソリューションとなる見込みである。

セキュリティ

どの程度のセキュリティが要求されるのか?

高いセキュリティが要求される局面では、サーバー管理のソフトウェア、特に Blue Prism が適している。一方で、キーチェーンや Credential Manager 等で管理するレベルであれば、UiPathやWinActorで十分対応できる。UiPathもWinActorも権限管理、セキュリティ管理を強化しつつある。ソフトウェア的なセキュリティで言えば、どれも通常の対策は行っており心配はない。しかし、運用面で安全性を担保していく必要はある。

管理

多くのロボットを管理する必要性があるか?

今後、多数のロボットを管理する必要性がある場合は、サーバー管理機能は必須と言える。Blue Prism、Automation Anywhere、BizRoboは、基本的にサーバー管理であるため複数ロボットの連携をしやすい。また、基本がデスクトップで動作するRPAである UiPath でも、サーバー上のVM(バーチャルマシーン)にロボットを導入し、ロボット管理サーバーを立てることで、大規模化は可能である。WinActorは、NTTデータ社経由では大規模導入しやすく、来春にはNTT AT社のものでも大規模導入が実現される。

価格

予算はいくらか?

規模・セキュリティレベルと価格が連動していると考えて差し支えない。Blue Prismなど中央管理タイプでは、年数百万~数千万円。UiPath・WinActorなどデスクトップタイプでは、年数十万円~数百万円という予算感である。また、RPAは単純にソフトウェアを購入しただけでは導入は難しくいくらかのコンサルティングが必要であると考えているため、その費用もかかってくる。

UiPathは、2ヶ月間の評価版、会社の規模によっては、無料のソフトウェアも使えるのでとりあえず試すにはぴったりと言える(英語のみであったドキュメントや学習用のUiPath Academyが日本語に対応した)。

おすすめのRPAソフトウェアの選び方

ものすごく大雑把にいってしまうと、ライトに始めるなら UiPath か WinActor である。両者ともサーバーを立てる必要がなく、デスクトップPC上(端末上)にインストールだけでよく価格も手頃である。セキュリティレベルは、通常のデスクトップPCと同じレベルだが、今まで人手で行なってきた業務であればおなじセキュリティを適用できる。想定する業務は、チェック業務、情報の収集、入力代行などである。

一方で、大規模でセキュリティの高い業務には、実績のある Blue Prism や Automation Anywhere が適していると考えられる。おそらくコンサルタントが入るプロジェクトになり予算はそれなりに積み上げなければならないが、システム開発での自動化よりも半額以下に抑えられるのではないかと思われる。

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